ロサンゼルスの専門書店を大特集!(前半)

幅広い範囲の文学ジャンル、グローバル文化などのテーマに特化した独立型専門書店を一挙ご紹介!
Children's Book World | Instagram by @ms_sheryl_anne

ロサンゼルスには、幅広い範囲の文学ジャンル、そしてグローバルカルチャー(グローバル文化)などのテーマに特化した専門書店が多数存在します。子供向けの本から、料理本、ホラー関連の書籍まで、ロサンゼルスで人気の専門書店を一挙ご紹介いたします!前半後半に分けてご紹介しますのでどうぞお楽しみに!

Property of Discover Los Angeles
Eso Won Books | Instagram by @inkerijj

AFRICAN AMERICAN: ESO WON BOOKS

映画プロデュサーの John Singleton に「Black Greenwich Village」(米国 New York 市 Manhattan 南西部にある芸術家・作家の多く住む区域、グリニッジヴィレッジの黒人バージョン)と呼ばれたことで有名な Leimert park は、アフリカン・アメリカンの文化人たちが好んで集まるエリアとして知られています。Eso Won Books は、そんなLeimert park の中心地にある書店です。店名は「岩の上の水」と言う意味があるそうで、「水のように、訪れる人々の知識の貯水湖に流れていきたい」と言うコンセプトを掲げている書店です。Eso Won Book では、アフリカン・アメリカンについての(またはアフリカンアメリカンによる)書籍や、アフリカ系移民についての書物をメインに取り扱っており、定期的に著者によるスペシャルイベントなども開催しています。これまでにオバマ元大統領、ビル・クリントン氏、スパイク・リー氏、トニー・モリソン氏など、数々の著名人が Eso Won Bools を訪れて(ここでイベント開いて)います。

4327 DEGNAN BLVD.
LOS ANGELES, CA 90008

Property of Discover Los Angeles
Photo courtesy of Hennessey + Ingalls, Facebook

ART & ARCHITECTURE: HENNESSEY + INGALLS

1963年創業の Hennessey + Ingalls は、西アメリカ最大のアート、建築、デザイン関連の書籍を取り扱う専門書店です。2016年に、創業時から50年間店を構えていた Westside から、ダウンタウン L.A のアーツディストリクトにある、巨大な One Santa Fe コンプレックスに移転しました。家族経営で知られる Hennessey + Ingalls は、現在、創業者 Reginald Hennessey の息子である、Mark が社長となっています。書店には、アートとアートの歴史、建築学、写真、インテリアデザイン、グラフィックデザイン、造園に関連する、幅広いジャンルの専門書籍が揃っています。コレクションの量と店員の知識の深さから、著名なフィルムディレクターやテレビディレクター、広告関連事業に携わっている人々は、皆こぞって Hennessey + Ingalls で書籍を買い求めるそうです。また、アメリカ有数の建築会社、美術館、アートキャラリー、コレクター、インテリアデデザイン事務所、グラフィックデザインオフィス、学校なども、法人として Hennessey + Ingallsを利用しています。

300 S SANTA FE AVE, STE M
LOS ANGELES, CA 90013

Property of Discover Los Angeles
Mista Cookie Jar at Children's Book World | Instagram by @andrewbarkan

CHILDREN'S BOOK WORLD

1986年にオープンした Children`s Book World は、子供、子供を持つ親、学校の先生そしてコレクターたちに愛され続ける、老舗書店です。8万タイトルはくだらないと言うコレクションの中には、膨大な量の音楽関連作品、オーディオ・ブックセレクション、DVD、クラフトとサイエンス・キットの数々、そして教育関連書物などがあります。本は年齢別に分けられていて、LGBTやグローバルカルチャーなどの分野の書籍も並べられています。スタッフ全員が、本の選出においてエキスパートとして知られ、教育現場での教材を探している先生方のサポートも行なっています。Children`s Book World では、イベントも頻繁に行われているので、オンラインのイベントカレンダーをチェックして足を運んでみてくださいね。著者によるサイン会や土曜日の午前中に行われている朗読会、スペシャルゲストを迎えてのオフサイトイベント(書店以外で行われる書店主催のイベント)など、どれもファミリーで楽しめる内容のイベントですよ。

10580 1/2 W. PICO BLVD.
LOS ANGELES, CA 90064

Property of Discover Los Angeles
Gily Bookstore at San Gabriel Square | Photo by Daniel Djang

CHINESE: GILY BOOKSTORE

Valley Boulevard 沿いにある San Gabriel Sqaure は、99 Ranch Market をはじめ、バラエティ豊かなレストランやお店が並ぶ、2階建ての巨大なオープエア・モールです。Gily Bookstore は、人気レストラン、Sam Woo BBQ の数軒隣に位置する、チャイニーズ・ブックストア(中国関連書籍の専門店)です。フィクションから自伝、歴史書に料理本、子どもの本まで、様々なジャンルの本がラインナップしています。中国のファッション誌や新聞も販売していますが、ほぼ全ての本(そして雑誌)が中国語で書かれています。

L.A Times のコラムによると、中国系書店業界は、オンラインでの競争が激しく、本だけでなく、様々なサービス(シッピングやPCのリペアなど)を打ち出すことで生き残りをかけているのだとか。これを受けて、Gily でも中国語のCDやDVD、スマホなどのアクセサリーやアクションフィギュア、ロッタリーのチケットなど、本以外のものも販売しています。

Property of Discover Los Angeles
Now Serving | Instagram by @classicsocialmedia

COOKING: NOW SERVING

1976年にチャインタウンにオープンした Far East Plaza は、観光名所としても人気のある、ホットスポットです。昔から続く老舗レストランや、新たに加わった Howlin` Ray`s、Lao Tao、LASA など、一度は訪れたい名店が軒を連ねています。Now Serving は、2017年9月に誕生した、ランチのできるスペースを兼ね揃えた、話題のクックブック・ストア(お店)です。

Far East Plaza の Hill Street 側に位置する Now Serving は、世界的に有名な Wolfgang Puck の CUTで腕をふるってきた経歴のある Ken Concepcion と、妻の Michelle Mungal が手がけるブックストアです。店内には新書だけでなく、中古の料理本や、今では絶版となっている貴重な料理本が数多く並んでいます。オープン前のインタビューによると、料理本は、アメリカ、アジア、中東、地中海、中央ヨーロッパに北欧といった地域ごとと、ペイストリー、ベイキング、飲み物、料理一般といった料理のジャンルごとに分類され、配置されているのだそうです。Now Serving では本以外にも、日本の包丁やキャストアイロンパン(新品とビンテージ)、シェフ用品なども販売しています。16席のランチョネット(食事のいただけるコーナー)は2018年春にオープンする予定です。ランチョネットコーナー(通常ランチのみの営業)では、夜間は、著者によるサイン会やイベント、クッキングクラスなどが開かれるそうなので、こちらも期待できそうですよ!

727 N. BROADWAY, UNIT 133
LOS ANGELES, CA 90012

Property of Discover Los Angeles
Skylight Books Arts Annex | Photo by Timothy Norris

GRAPHIC NOVELS: SKYLIGHT BOOKS ARTS ANNEX

Los Feliz コミュニティーに位置する Skylight Books は、L.A で最も有名な独立型書店の一つです。1996年に Vermont にオープンした Skylight は、作家のグループと、過去に受賞経験もある有名俳優、Jeffrey Tambo 氏が所有し、経営しているブックストアです。Skylight では、著者をフィーチャーしたイベントが頻繁に開催されており、お店の大きな魅力の一つとなっています。

2008年、Skylight は、隣にある酒屋の中に Arts Annex をオープンさせました。現在 Annex は、同じ並びの、旧 Colonial Drugs が位置していた場所に移転しています。Annex は、グラフィックノベル、そしてグラフィックコミックスの膨大なセレクションで知られています。店舗では、zine と呼ばれる小雑誌や地元アーティストによるミニコミックスも取り扱っていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

1814 N VERMONT AVE
LOS ANGELES, CA 90027

Property of Discover Los Angeles
Larry Edmunds Bookshop | Instagram by @risingphoenixrep

HOLLYWOOD: LARRY EDMUNDS BOOKSHOP

サイレント映画の終わりとともに始まり、1960年代まで続いたハリウッド黄金期には、映画の歴史を代表する膨大な数の映画が製作されました。1930年ごろから、Tinseltown (ロサンゼルス)は、文学のランドマークとしても栄えてきました。それは当時、ハリウッドを中心に活躍する作家が増え、Stanley Rose Bookshop(Musso & Frank Grillの隣)をはじめ、ハリウッド・ブルバード沿いに本屋がたくさんオープンしたからです。

Stanley Rose で働いていた Larry Edmunds が自身の店舗を Cahuenga に開いたのは1938年のこと。現在、ハリウッドブルバードに店を構える Larry Edmunds Bookshop には、50万点を超える映画の写真、6000点以上の映画のポスター、2万点以上の映画作品、そしてシアターブックが揃っています。ロビーカードや脚本などの貴重なメモラビリアも販売しています。Larry Edmunds では、オフサイト(書店以外の場所で開催される)のスペシャルイベントも頻繁に開催しています。最近では、Diane Keaton とBryan Cranston のトークショーが行われました。

6644 HOLLYWOOD BLVD.
LOS ANGELES, CA 90028

Property of Discover Los Angeles
Bruce Campbell signs "Hail to the Chin" at Dark Delicacies | Instagram by @stormbringer_fx

HORROR: DARK DELICACIES

Sue & Del Howison 夫妻が1994年の12月にオープンした Dark Delicacies は、ホラーファンの間では有名な、世界的に名の知れたブックショップです。Dark Delicacies には、貴重なメモラビリア(記念品)やDVD、洋服、話題の新書やレアな中古本など、ホラーに関連した膨大なコレクションがそろっています。Howison 夫妻は Dark Delicacies の店舗内でハロウィンの日に結婚したという独自のこだわりを持つカップルで、自身の店では本の他にも地元産のハンドメイドグッズをはじめ、グラフィックノベルやアクションフィギュア、映画のポスターに子供向け商品、そしてホラーがテーマのお香など、幅広いラインナップの商品を販売しています。2005年に出版された Dark Delicacies のアンソロジー(特定のジャンル(文学分野)から複数の作品をひとつの作品集としてまとめたもの)は、20作のホラー物語がフィーチャーされた本で、Ray Bradbury 作の「the Reincarnate」に始まり、Clive Barker の「Haeckel`s Tale」で終わります。オーナーDel と Jeff Gelb 氏が編集したこちらのアンソロジーは、賞を受賞し、後編2作を生み出す大ヒット作となりました。常に時代の先端を走り続けているカップルは、最近、店のフォーカスを「本を売る」ことから、「頻繁にサインイベントを行う」ことに変更したのだといいます。最近では、ホラー映画の伝説と言われる俳優、Boris Karloff の娘である Sara Karloff のイベントが開催されていました。ホラー好きの方は、ぜひ一度お店をのぞいてみてください!

3512 W MAGNOLIA BLVD
BURBANK, CA 91505

幅広いジャンル、そしてグローバル文化などのテーマに特化したロサンゼルスの専門書点を一挙ご紹介している今回の特集、前半はここまでとなります。後半も一度は訪れたい魅惑のブックショップが多数登場しますのでどうぞお楽しみに!