ロサンゼルスのシアターシーンを大特集!(後半)

"Building the Wall" | Photo courtesy of The Fountain Theatre, Facebook

シェイクスピアなどの伝統的な劇から新生ミュージカルまで、L.Aに200館ある小劇場では、日々さまざまな種類の演目が上演されています。8000人を超えるプロの役者が暮らすL.Aの、ホットなシアターシーンを大特集!後半も最後までお楽しみください。

Property of Discover Los Angeles
"Building the Wall" | Photo courtesy of The Fountain Theatre, Facebook

CLASSICS AND NEW PLAYS

East HollywoodにあるThe Fountain Theatreでは、伝統的な演目から新しい劇まで、バラエティ豊かな題材をテーマに上演しています。The Fountain Theaterはかなり小さな劇場ですが、細かな演出に気をくばった、繊細な演技が見どころのショーで人々を魅了しています。これまでに、Tenessee Williamsの劇やF.Scott Fitzgeraldの作品をアレンジした劇、Athol Fugard作の最新作に、劇団のアーティスティクディレクター、Stephen Sachs氏が制作・指揮した作品(ロンドンのWest End でも上演されています)などが上演されています。

Property of Discover Los Angeles
Hamlet | Photo courtesy of Independent Shakespeare Co., Facebook

コメディタッチのシェイクスピアがお好き、という方には朗報です!この夏、Griffith ParkでIndependent Shakespeare Companyが手掛ける Free Shakespeare Festival(屋外イベント)が開催予定となっています。フェスティバルでは、Measure for Measure(尺には尺を)、そしてTwo gentlemen of verona(ヴェローナの2紳士)がフィーチャーされます。通常、屋外のイベントではブランケットとピクニックチェアを持参する事がのぞまれていますが、会場でかりる事も可能です。夜間は肌寒くなるので温かい服装で訪れる事をおすすめします。時折聞こえる野生のコヨーテの鳴き声が、劇に深みを与えます。タイミングが合えば、Atwater Villageで上演されるIndependent Shakespear Companyの新しいプレイのプレミアを観劇するのもおすすめですので、詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

世間や文化に焦点を当て、挑発的なアングルでプロデュースされた斬新なプレイを見たい、という方におすすめなのが、ハリウッドにあるRogue Machine です。こちらで上演された演目はOff-Broadway(ニューヨークマンハッタンの小劇場の事)でも上演され、成功をおさめています。Atwater VillageにあるThe Echo Theatre CompanyやLos FelizにあるThe Skylight Theatreでも、話題の新作を観劇する事ができます。

アメリカ全土の小劇場でおなじみとなっている新作(人気があり全国で上演されているもの)を取り扱うシアターで、演出などの点からひときわ人気があるのがPasadenaにあるTheatre @ Boston Courtです。これまでにない、型破りなアングルで演出された奥深い作品の数々が、多くの人を魅了しています。

Property of Discover Los Angeles
"Macbeth: Revisited" | Photo courtesy of The New American Theatre, Facebook

The New American Theatreでは、West Los AngelesにあるThe Odyssey Theatreとコラボレーションし、マクベスをはじめとした伝統的な演目を上演しています。演出がとても美しいと、どの作品も人気があります。The Odysseyは、L.Aの老舗シアターとして知られ多くの人から愛されています。ヨーロッパで生まれた作品から、ワールドプレミアまで、さまざまな題材を取り扱っています。

ダウンタウンL.Aの中心にあるLatino Theatre Companyも人気の高いシアターカンパニーです。ロサンゼルス市と提携し、Los Angeles Theatre Centerを管轄している事でも知られています。その昔銀行だったというビルを改造して作られたLatino Theatre Companyは、館内に4つのシアターがあるシアター・コンプレックスとなっています。新作をメインとした素晴らしい作品を数多く上演しています。

Property of Discover Los Angeles
Gay Men's Chorus of Los Angeles: Pride @ The Wallis | Photo courtesy of The Wallis

L.Aには、世界最高峰のミュージカルにダンス、シアタープログラムなどをインポートし、短い期間上演(配給)する、プレセンターと呼ばれる会社(団体)も数多くあります。ビバリーヒルズの中心にあるWallis Annenberg Center for the Performing Artsでは、新たなリーダーをむかえ、海外からさまざまな作品を輸入する事に成功しています。Walt Disney concert Hallの中にはREDCAT(Roy and Edna Disney Cal-Arts Theatreの略)があり、ダンスや現代音楽、ビジュアルアート、そして定期的にニューヨークのThe Wooster Groupの作品などを上演しています。サンタモニカにあるThe Broad Stageでは、ミュージカルを中心とした舞台が楽しめます。

EXPERIMENTAL THEATERS

ARCHIPELAGO @ Son of Semele from Matthew McCray on Vimeo.

サンタモニカのBergamot StationにあるCity garageは、フランスびいきのシアターとして有名な劇場です。シンプルな劇場内では、伝統的なものからニュープレイ、イギリス、ポーランド、ドイツにフランスなどで人気を博した作品などを中心に上演しています。多くの場合、政治的なアングルの演出があり、そういった演出を好む方から人気をあつめています。City Garageの従兄弟の劇場、として知られるのが、ダウンタウンはWestlake VillageにあるThe Son of Semeleで、神秘的で現実離れした、美しい演出の舞台を上演し、ファンが多い事で知られています。

ロサンゼルスのシアターシーンをご紹介してきた今回の特集、いかがでしたか?今回ご紹介したのは、L.Aに200館あるといわれる劇場の本の一部です。今回登場した劇場の他にも、素晴らしい作品を上演しているシアターが数多くあるので、ご紹介した劇場と合わせて足を運んでみてください。世界最高峰の役者たちによる素晴らしい演技が、感動を与えてくれるはずですよ!