LAの一風変わった美術館ベスト10!(後編)

写真提供:Amaury Laporte,Flickr

LAには、値のつかない貴重な傑作を集めた、世界トップレベルの美術館がいくつもあります。マーシャルアーツ(武術)をテーマにしたもの、ベルベットでできた絵画から、決まったテーマのない作品まで、様々な作品をフィーチャーした美術館をご紹介します!

Property of Discover Los Angeles
写真提供:Martial Arts History Museum,Facebook

MARTIAL ARTS HISTORY MUSEUM

BurbankにあるMartial Arts History Museumはその名の通り、『武術』に関連した歴史とバックグラウンドを学ぶことのできる唯一無二の美術館です。Bruce Leeが着るようなトレーニングウェアを着て、カール・ダグラスのKung Fu Fightingのテーマ曲を口ずさみながら美術館へ向かいましょう!ここでは、カンフーから柔道、テコンドーに相撲、ムエタイにルアまで、とにかくありとあらゆる『武術』にスポットを当てており、それらの『武術』が幾千年の歴史を経てどのように語り継がれてきたかを詳しく学ぶことができます。美術館は45分あれば回れる大きさです。武術によっては、有名選手の輝かしい経歴を紹介するコーナーがあったり、侍の鎧や手裏剣、刀といった武器を展示したコーナーもあり、大人、子供、ともに楽しめる内容となっています。

Property of Discover Los Angeles
写真提供:Amaury Laporte,Flickr

MUSEUM OF DEATH

前回ご紹介した可愛らしいBunny Museumの後にぜひ訪れていただきたいのが、180度雰囲気の違う美術館、その名も、Death Museum(死の美術館)です。LAで最も気味の悪い施設といわれるこちらの美術館は、赤ん坊の棺や動物の剥製、世界的に有名な殺人者の頭や自殺用のマシンなど、とにかく不気味なものが多数展示されている美術館です。Death Museumの名を世間に知らしめたのは「ヘブンズゲイト・カルト・集団自殺」の展示です。以前はSan Diegoにも美術館があったのですが、ヘブンズゲイトの展示があまりに過激すぎると施設封鎖に追いやられたそうです。Los Angeles Poice Museumの犯行現場の写真などは、序の口だった、と思わせるほど、とにかく気味悪いことで有名です。ちなみに、こちらの美術館、元はレコーディングスタジオだったため、壁が厚く作りが頑丈で、何とも言えない閉塞感があるのだとか。どうやら建物の作り自体も気味悪さに拍車をかけているようです。New Orleansにも同系列の美術館があるので興味のある方はぜひそちらにも足を運んでみてください。

Property of Discover Los Angeles
写真提供:Sgerbic, licensed under CC BY-SA 3.0 viaWikimedia Commons

MUSEUM OF JURASSIC TECHNOLOGY

Venice BoulevardにあるMuseum of Jurassic Technologyはファンタジー満載の不思議な展示物を数多く保有する、魅力的な美術館です。壁を通り抜けられるコウモリに犬の宇宙飛行士、針の上に飾られたオブジェ、などなど、ほとんどのものが見たものに「これってどうなってるのかしら?」と疑問を抱かせる、不思議な作りになっています。ジャーナリストの中にはMJTを『不思議の宝庫』とよぶ人もいるほどです。2階のTula Tea Roomと言うエリアではお茶とクッキーをいただくことができます。こちらのエリアは屋上階のガーデンと繋がっていて、しばしばこのガーデンでは、創設者のWilson氏が楽器を演奏していることがあります。「何の楽器なのか?」中世時代の不思議な楽器と見る人もいれば、ただのウクレレじゃないか、という人もいる。一体どっちなのかは、ぜひご自身の目で見て確かめてみてください!

Property of Discover Los Angeles
写真提供:Velveteria,Facebook

VELVETERIA

カンバスや画用紙などの代わりにベルベットを支持体として使う絵画技法を用いた「ベルベット・ペインティング」は、1970年代に一世を風靡して以来、変わらない人気で多くの人々から愛されています。特に、黒いベルベットの上に描かれたものは色彩鮮やかで、見るものを惹き付ける魅力溢れる作品が多いことで知られています。エキゾチックな動物やエロティックなヌード、船乗りに大きな目をした訴えかけるような子供たちなど、絵のテーマは実にさまざま。一つ共通して言えることといえば、「古くささ」、「けばけばしさ」があるのがいい意味で魅力と言えることでしょう。世界各国から集めた、3000点以上はあるといわれるベルベット・ペインティングをコレクションしているというオーナーが経営するVelveteriaは、もとはPortlandにありましたが、2013年にLAの地(アートギャラリーが多く存在するチャイナタウンから少し歩いたところ)に移転しました。随時400店程の作品が展示されていて、ファンも多いそうですよ。

Property of Discover Los Angeles
写真提供:The Wende Museum and Archive of the Cold War,Facebook

WENDE MUSEUM AND ARCHIVE OF THE COLD WAR

 

WENDE MUSEUM AND ARCHIVE OF THE COLD WARは、冷戦時代の証拠品や記念品などを個人的に集めていた収集家の情熱が実り、現在の施設へと発展した歴史を持つ、貴重な美術館です。ベルリンの壁崩壊後、Justin Jumpolという青年はオックスフォード大学でロシアと東ヨーロッパの歴史を学んでいました。共産主義崩壊後は、共産主義時代の彫刻や食器、フィギュアにポスター、ソビエト連邦の絵画など、時代を物語るものたちが街に散乱していたにも関わらず、誰もそういったものに興味を示さなくなっていたといいます。Jumpol氏はここぞとばかりに、そういった歴史的背景のあるものたちを収集していったそうです。ほとんど破格の値段、または無料で手に入れることができたそうです。レーニン時代のもの、東ヨーロッパオリンピックチームのフィットネス・スーツ、美しいセラミックの食器、ビニール製のレコード、ソビエト連邦のクルーズシップのメニュー表など、バラエティー豊か、かつレアなそのコレクションは実に100,000を超えているといいます。現在はindustrial buisiness park内にありますが、2015年後半か2016年にはCulver City Armoryに移転すると言われています。一度は足を運んでおきたい、希少価値の高い美術館です。

LAの一風変わった美術館ベスト10、いかがでしたか?どの美術館も独特の魅力がありましたよね!ぜひこの機会にゆっくり時間をかけてまわってみてください。眠っていた芸術的才能を開花させる、大きなチャンスとなるかもしれませんよ!