オープンから半年で来場者数40万人を記録したThe Broadを徹底解説！（パート１）

2015年の9月20日にオープンしたL.Aで最新の現代美術館「The Broad」は、オープンからわずか半年で40万人以上の来場者を集客しました。2016年3月に行われた来場者のリサーチデータによれば、限定された層ではなくあらゆる年齢層、そして民族性（バックグラウンド）の人が来場しているという結果が分かっています。The Broadは人類への愛にもとづいて、人々の「well being」（幸福、健康、QOL等）を改善することを目的とした利他的活動や奉仕的活動等を積極的に行う Philanthropist（博愛主義者）であるBroad夫妻によって創立、設立されました。Broad夫妻が保有する2000点に及ぶプライベートなコレクション、Broadコレクションのホームとしても有名です。ちなみにBroadコレクションは戦後に制作されたアートのコレクションとしては最高峰であるといわれ、世界的にも高く評価されています。

The Broad の革新的なデザイン“Veil and Vault”(ベールをさげアーチで覆う）というコンセプトはDiller Scorfidio+ Renfro がデザインし、Genslerとのタイアップで誕生しました。総工費1億4000万ドルという巨大な建物内では２フロアにわたり、Broadコレクションをフィーチャーしています。またThe Broadは世界各国に広がるThe Broad Art Foudationが保有する図書館（lending library)の総本部となっています。

美術館の正式なオープンにともない館内ではBroadコレクションから250点の作品をフィーチャーする形にし、入場料無料の期間を設けました。するとわずか半年で41万510名の来場者数という信じられない記録となったのです。この数は美術館の立ち上げに加わったチームが、初年度の来場者数として目標にしていた数をはるかに上回っていました。年齢、民族性、出身地、アートに体する精通度などにおいて、限られることのないあらゆる層の人が足を運んだといわれているのです。

Morey Groupによる詳しいリサーチ結果によれば、70％の人が34歳以下で、10人中6人が白人ではないバックグラウンド（民族性）を持ち、60%がL.A在住で、70 %がコンテポラリーアートにおいて自分は初心者または中級者である、と答えていたことが分かっています。

創設者の一人Joanne Heylerさんは「美術館がオープンした日から、より多くのあらゆる層の人にアウトリーチできる唯一無二の施設になればいいと、ゴールをかかげてきました。現時点で、この美術館が本当にいろいろなバックグラウンドの方たちを惹き付けているというのは限りなく嬉しいことです。」と話しています。

「また私たちはこの美術館が来場者にとってユニークな体験ができる空間になることを目指してきました。あらゆる人種、バックグラウンドの方、そして現代アートにおける知識が初心者の方からエキスパートの方まで、皆さんが楽しめる、そして学べる空間を作りたかったのです。今後も多くの方の来場、そしてリピータの方々の再来場を期待しています。」