エルビス・プレスリーが愛したLAを巡る旅！（前編）

「史上最も成功したソロアーティスト」ともいわれるエルビス・プレスリーは、亡くなって何年も経った現在でも「20世紀最大のカルチャー・アイコン」として崇められています。「King of Rock and Roll-ロックンロールの神様」または「King-神様」と称されるエルビスは、カントリー・リズム＆ブルース・ポップス・ゴスペルといった要素を融合させ、ロックロールという新しいジャンルを作った創設者の一人で、後進のアーティストたちに多大な影響を与えました。今回はそんなエルビスにまつわる場所を一挙にご紹介します！

Beverly Wilshireホテルは、映画「プリティーウーマン」でジュリア・ロバーツ演じる主人公が滞在したことで世界的に有名になったゴージャスな高級ホテルです。ビバリーヒルズのロデオドライブから数分という好立地にあり、今までにオバマ大統領、ダライラマ、そして日本国天皇が滞在したことでも知られています。著名な作家たちはこぞってここに滞在して執筆するといわれていますし、Warren Beattyに至っては長年ペントハウスに住んでいたそうです。1950年代、映画の撮影の間、エルビスプレスリーはこちらのホテルに滞在（住んで）していました。オノ・ヨーコさんとの別居期間中、Beverly Wilshireに滞在していたジョン・レノンは、エルビスが一時期ここに住んでいたということに影響を受け、滞在を決めたといわれています。

LAXから数マイル東に進んだInglewoodにあるThe Forumは、アメリカ国内で最高峰といわれるイベント会場です。コンサートのみならず様々なイベントを開催しており、地元ローカルには『Fabulous Forum』の名で知られています。1970年には、エルビス・プレスリーのセカンドツアーのコンサートが開かれました。1974年、10回目のツアーでエルビスは再びForumに戻り、観客を沸かせました。レッド・ゼッペリンのロバート・プラントとジミー・ペイジが参加したことでも話題になりました。その後しばらく数億円規模のレノベーションを経て、2014年1月に再オープンしました。新たな時代の幕開け第一弾はThe Eaglesのコンサートでした。最先端のテクノロジーを駆使したステージの演出は素晴らしく、ジャンルを超えた、ワールドクラスのアーティスト達がこよなく愛する会場として知られています。

1956年の『Love Me Tender』を皮切りに、エルビスは33個もの映画（そのうち2本はコンサートドキュメンタリー）に出演しています。Paramount Picturesでも作品は多く、Blue Hawaiiは大傑作として日本にもファンの多い作品として知られています。ちなみにBlue Hawaiiのサウンドトラックは20週続けてビルボードチャート首位だったというから驚きです。この伝説的なサウンドトラックはLAのRadio Recordersで録音されました。2時間のParamount Pictures Tourでは、普段一般的に公開されていないスタジオ内をじっくりと見て回ることができます。映画の世界の舞台裏をもっと詳しく知りたい方におすすめなのが、所要時間およそ5時間というVIP Studio Tourです。映画好きにはたまらないこのツアー、忘れられない体験になること間違いなしですよ！

エルビスは生前、珍しい車を数多く所有していたことで知られていますが、その中でも有名なのが1974年に当時のガールフレンドだったLinda Thompsonに送った黄色の1971年型De Tomaso Panteraです。ある日、Lindaと大げんかになったプレスリーは、その場を立ち去ろうとDe Tomaso Panteraに乗りましたが、何をしてもエンジンがかからなかったそうで、いらだったエルビスは車を銃で3度撃ったという少し怖い逸話が残っています。1971年型De Tomaso Panteraは他の車とともにPetersen Automotive Museumに展示されています。しかしながらPetersen Automotive Museumは2015年年末まで大規模の改装プロジェクトを行っていて、現在はご覧になることができません。来年再オープンしたらぜひ足を運んでみてくださいね！

かつてRadio RecordersはLAで一番のレコーディング・スタジオとして名をはせていました。サンタモニカBlvd.とオレンジ・ドライブの角にあるRadio Recordersは何十年にもわたり、Johnny Cash、Jimi Hendrix、Sam Cooke、Bobby Darin、Billie Holiday、Louis Armstrongといった歴史を飾った数々の大物アーティスト達に愛されてきました。エルビスはセカンドアルバムの『Elvis』を1956年の1月から3月までかけ、Radio Recordersレコーディングしました。Jailhouse RockやAll Shook Upといった、名曲達はここで生まれたのです。現在、Radio Redcordersは、CM制作のプロダクションスタジオとなっています。