LAマラソン体験レポート 2015

1984年ロサンゼルスオリンピックを記念して始まったLAマラソンは、2015年に記念すべき第30回を迎えました。

今年もたくさんの人がスタジアムから海へのコースを楽しく走り、そのレポートはこちら!

Property of Discover Los Angeles

『サンタモニカの海岸を目指して』鏡山英男さん

初めてのフルマラソンで海外!!しかも記念すべき30回目を迎えたLAマラソンです。こんな経験ができるなんてとってもラッキーでした。だってモニターランナーとして招待されるという機会がなければ、フルマラソンを走ろうなんて思わなかったはずです。 

きっかけは、昨年12月に家族と友人たちとで出場した「駒沢ランナーズフェスタ」でのじゃんけん大会でした。優勝するとLAマラソンに招待される。です。実は、「絶対に優勝するぞ!!」と心に決めてました。誕生日の翌日だし、何かが起きるはず、いや起きないはずはないと(笑)。そうしたら本当に優勝したんです。思わず「ヤッター!!」と叫び出しそうになりました。

ここからLAマラソンへの挑戦が始まりました。といっても、手さぐり状態からのスタートです。40歳過ぎで特に運動習慣もなしレース当日まで残り3か月という状況、そもそもどういった練習をすればいいのかも分かりません。この時点では、完走できる自信なんて「0」です。ただ、逆にそれが良かったのかも。最初は、30分間走るのがやっとだったのに、徐々に走る時間や距離が伸びていくのが楽しくて面白くて。これが走ることの魅力なのかも。焦る気持ちもあったものの、同時に本番が待ち遠しかったです。

 

そして、ついにロスへとやってきました。でも、外に出てみて、びっくりです。ものすごく暑い!!事前に聞いていたのですが、ここまでとは!!全くの想定外です。これには、「ちょっと頑張れないかも。」と急に弱気に。

実は、密かに4時間30分以内でゴールすることを狙ってたんです。でもレース当日は、記録的な猛暑らしい。ハードルが上がります。

レース前日には、親善大使である有森裕子さんと一緒に走るという貴重な経験をすることができました。数十名の日本人ランナーの方たちや30回連続出場のレジェンドランナーと一緒にダウンダウンを走り、テンションが上がります。有森さんからは、ストレッチの仕方や暑さ対策のアドバイスをいただきました。このときに「焦ってもしょうがない。自分が、やってきたことを信じましょう。」という感じのコメントがあって、すーっと気分が楽になりました。

 

スタートは、ドジャースタジアムです。会場に入ると音楽が聞こえてきます。会場入りしたときは真っ暗でしたが、少しずつ明るくなりレース前の緊張感もMAXです。国家斉唱が終わるとついにスタート、ただ直前にトイレに行ったので、私は、ずいぶんと後れてのスタートでした。そのせいか、とにかく混雑してます。最初から歩いている人たちもいて、その間を縫って走るような感じになるので疲れました。

しばらくすると、雰囲気が変わってきます。チャイナタウンです。龍で縁取られた入口の門に圧倒されます。次は、リトル東京が見えます。東京?という感じもしましたが、日本語をみると何故だかホッとします。続いてダウンダウンのオフィス街、ここに最初の強敵が登場します。「激坂」です。正直、序盤での遭遇で良かったです。事前に聞いていたので覚悟してましたが、終盤にこの坂と遭遇してたら間違いなく心が折れます。

坂を上りきると和太鼓の応援で心が和みます。このあたりから、やっと自分のペースで走ることができて、落ち着きます。

LAマラソンの魅力の一つは、なんといっても走るコースです。その後も、ハリウッド、ビバリーヒルズ、ロデオドライブ、といった観光名所が続きます。とても気持ちが良くて走りながら何枚か写真を撮ったのですが、ほとんどランナーしか映っていませんでした(笑)。

そして、もう一つの魅力は沿道の応援です。ロスの人たちは、とてもあったかい。それに面白い。バンド演奏や、コスプレの人、でっかいスピーカーを持参してロックをかけている人もいれば、自家製の補給食?を配っている人たちもいて、走っているこちらが思わずニヤっとする光景が広がっています。なかには暑さ対策でランナーに水をかけてくれる人もいて、すごく助けられました。街全体でLAマラソンを盛り上げようという気持ちを強く感じました。

レースの方は、残念なことに30kmぐらいで異変を遂げます。UCLA構内の上り坂を走っているあたりで気持ちが揺らぎ始めます。そして気持ちが切れてしまいました。32km地点です。ここでは、「4:45」のペースランナーに追いついたので、この人についていければ「4;30」が達成できる(スタートが15分遅いので)と思った瞬間「このペースで走り続けるのは無理」と脚が止まってしまいました。

でも沿道の人たちの後押しのおかげで、もう1度走る気持ちが復活します。本調子に戻ったのは、38kmぐらいですか。そこまでは、とにかく気持ちを切らさないように、あと1歩だけ、あと1歩だけ頑張ろうと思って走り続けました。終盤になればなるほど、応援に励まされました。

そして、ゴールのサンタモニカの海が見えてきました。だけど見えてからも遠い(笑)。「フルは、ハーフの5倍つらいよ」と言っていた人がいましたが、本当につらかった。でも最後に嬉しい光景が、なんとゴール前で「4:45」のプラカードが見えてきたんです。そうです。脚が止まったときに、引き離されたペースランナーです。追い抜ければ、4時間30分を切れるかも。

そしてゴール!! タイムは、4時間27分26秒。

しばらくは、放心状態でした。でもだんだんと走りきった!!という充実感でいっぱいに。そのあと家族の顔を見たときの気持ちは、忘れられません。お父さん、やりきったぞ!!って。

あの時、じゃんけん大会で優勝できて本当に良かった。そのおかげで、この感動を味わうことができたんですから。とっても素敵な誕生日プレゼントでした。

 

【番外編】

ゴール後のサンタモニカでは、レースを終えたランナーがプロポーズをしている場面に遭遇しました。まるで映画の1シーンです。さずがLA。

 また今回の旅行では、子供たちと一緒にスペースシャトルエンデバーを見たり、子供たちが大好きなカーズに会いにディズニーカリフォルニアアドベンチャーにも行きました。ディズニーでは、ランニングシューズにランニングパンツをはいた人もちらほら。考えることは、みんな一緒なのかも(笑)。ディナーでは、評判になっていた「Bottega Louie」に。妻が喜んでくれました。家族全員が楽しめたLA旅行でした。

最後になりますが、ロンセルス観光協会の安達さん、武藤さん、親善大使の有森裕子さん、ご一緒させていただいた南井さん、和田さん、山本さん、こんな素敵な経験をありがとうございました。とても幸せなひと時でした。