小説に登場するLAのランドマークをチェックしよう!

写真提供:Laura Ferres, Flickr

歴史的に有名な「Angel Flight」から誰もが知る「Hollywood Blvd.」、サンペドロの「Port of Los Angeles」まで、LAのランドマークと呼ばれる名所は時代を超えていくつもの文学作品に登場してきました。今回は、そんな名所達を詳しく解説していきます!

Property of Discover Los Angeles
写真提供:Rainer, Flickr

ハリウッド通り(HOLLYWOOD BLVD.)

かの有名なHollywood Walk of Fame、Grauman`s Chinese Theatreのホームとして知られ、輝きとグラマー、という言葉がぴったりの Hollywood Blvd.ですが、実は小説などでは、その輝かしさにスポットを当てず、厳かな雰囲気のセッティングで登場することが多いと言います。例えば、Raymond Chandlerの探偵小説「The Big Sleep」では主人公の探偵事務所がHollywood Blvdにあることになっています。この小説がきっかけでRaymond氏は世界的に有名となり(Times詩で1923−2005年に出版された本のベスト100に入選)、1994年にロサンゼルス市がその成功をたたえ、HollywoodとCahuenga Blvd.の角にRaymond Chandler スクエアを創りました。

他には1939年に出版されたNathaniel westの「The Day of the Locust」(イナゴの日)などがあります。1930年代のハリウッドの裏側を描いた小説で1975年には映画化されました。クライマックスのシーンはLAの文学史において最高のクライマックスと言われています。

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写真提供:Kelly Densmore, Flickr

フリーウェイ(THE FREEWAYS)

ご存知かと思いますがLAは車社会です。どこに行くのも、交通手段としてFreewayを使うことになるのです。そんなFreewayも、作家にとってはインスピレーションの源となるのだとか。1970年出版のJoan Didionの小説「Play It As It Lays」では、売れなくなった女優が目的もなく、救いを求めてLAのFreewayをドライブする姿が描かれています。

LAのFreewayはしばしば「LAの動脈」と呼ばれることもあります。ピュリッツァー賞を受賞した作家、Gary Snyder氏は自身の作品Night Song of the Los Angeles Basinの中で、「Calligraphy of cars(車による書道)」と自然の音を比べています。ロサンゼルス全体に関しては、“Checkered with streetways. Floral loops / Of the freeway express and exchange.”ーストリートがチェック模様になり、フリーウェイとその料金所が花のループの様になっている、と表現しています。日本語に直訳するには難しい、アーティスティックな比喩表現でFreewayを表しています。

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写真提供:Kelly Densmore, Flickr

エンジェルスフライト(ANGELS FLIGHT)

ダウンタウンのBunkerHill地区にあるAngel Flightは幾度となく小説、文学作品に登場しています。SinaiとOlivetという名の付いた2台のケーブルカーは世界的にも有名です。Raymond Chandlerの探偵小説、Philip MarloweシリーズではThe High Windowとthe Lillte Sister、2作で主人公がAngels Flightを訪れています。Michael Connellyの6作目の小説「Angels Flight」では、小説の始めと終わりのシーンがAngels Flightの設定となっています。その他にも、2009年のAlice Duncanによるミステリー小説「Angel`s Flight」や、John Fante、Linda L. Richards 、幼児文学の作者、 Leo Politiの作品で登場しています。

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写真提供:Joey Zanotti, Flickr

ワッツ地区(WATTS)

現在ではWATTS地区の人口のほとんどがラテン系・ヒスパニック系のアメリカ人と言われていますが、アメリカ合衆国南部の田舎から100万人以上のアフリカ系アメリカ人が移動した『第2次アフリカ系アメリカ人の大移動』があった1940年代から数年はアフリカン系アメリカ人の居住区として栄えていました。一番早くて、1931年に「God Sends Sunday」とう小説に登場しています。また、Walter Mosleyによるベストセラー小説の主人公、私立探偵のRawlinsもWATTSを訪れます。Devil in a Blue Dressと題されたこの本はその後、デンゼルワシントン主演で映画化されました。この機会にぜひご覧になってみてください!

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写真提供:Josephine Runneboom, Flickr

サンペドロ(SAN PEDRO)

西海岸で一番活気ある港町と言われるSan Pedroは南カルフォルニアのユニークな魅力が満載の、作家に大人気の街です。Michael Connellyの小説「Blood Work」の主人公、FBIエージェントのMcCalebはSan PedroのCabrillo Marina(カブリロ・マリーナ)に停めてあるThe Following Seaと名の付いたハウスボートで暮らしている設定で、いくつもの箇所で印象的なシーンとして描かれています。「Blood Work」はクリントイーストウッド主演で映画化もされているので興味のある方はぜひご覧になってください。

2006年、元LAPDの刑事でベストセラー作家となったJoseph Wambaugh氏の作品、Hollywod Seriesが話題を呼びましたが、2012年、シリーズ5作目となるHarbor Nocturneでは、ファンが慣れ親しんだWilcox Avenueの警察署からはなれ、Port of Los Angeles(ロサンゼルス港)に舞台を移します。

 

いかがでしたか?これを機に、LAのランドマークが登場する、有名文学に触れてみてはいかがでしょうか?